事業計画
ACTION PLAN
<2025年度>
1.制度案件への対応
(1)銀行窓販の「弊害防止措置」の存続
日本代協としては「銀行等の保険販売に対する事前規制として設けられている弊害防止措置は、消費者保護の観点から引き続き必要」との立場であるが、金融機関関連団体や欧米諸国は同措置の撤廃を強く求めている現状にある。日本代協の主張が反映された弊害防止措置が緩和されることのないよう、引き続き存置を求めて支援議員への要請を行っていく。
(2)激甚化・頻発化する「自然災害」への対応
自然災害の激甚化・頻発化に伴う保険金支払い増加により、風水災を補償する火災保険の収支は大幅な赤字が常態化し、保険料の値上げが続いている。また、水災リスクを市区町村ごとに5段階に分類し保険料に反映させることとなったため、リスクの高い地域の保険料はさらに高騰している。こうした値上がりの影響により、保険料の支払いが難しくなり、風水災を補償する保険に未加入の世帯が増加する危険性が懸念されることから、「税制優遇や補助金の提供などにより、無保険状態を防ぐ対策を講じること」を支援議員に要請する。同時に、国土強靭化を推進し、防災・減災対策を強化していくことで、「自然災害に対する国土の耐性を高める取り組みを継続すること」も併せて要望する。
(3)日本損害保険協会と連携した「税制改正」要望
税制改正実現には、業界統一要望が必須であるため、日本損害保険協会との連携をさらに強化していく。風水災を補償する保険の「保険料控除」創設の必要性を日本損害保険協会に継続的に働きかけるとともに、日本損害保険協会が要望事項として掲げている「地震保険料控除制度の充実」についても、後押しを行う。また、保険会社の「安定的な保険金支払い能力の確保」は、日本代協にとっても重要な課題であることから、日本損害保険協会と連携の上、「令和7年度税制改正に関する要望」を行った結果、下記のとおり充実が図られた。
【火災保険等に係る異常危険準備金制度の充実】 異常危険準備金の残高管理につき、「火災・風水害」、「貨物・運送・建工・動総」、「賠償責任」の3区分に分かれていたものを同一区分にして一本化管理とする。また、準備金の取崩基準損害率を50%から55%に引き上げる。
現在、「火災・風水害」の異常危険準備金は枯渇状態にあるが、本改正により火災の損害率が高くても、貨物、賠責の損害率が低ければ合算でき、取崩基準損害率も引き上げるので、損害率が50%を超えても55%を超えなければ、異常危険準備金を蓄積することができ、巨大災害リスクへ備えることができる。
(4)「日本郵政グループ」に対する対応
①日本郵政が保有する全株式の売却に向けた道筋の明確化と着実な実行
日本郵政グループ各社は、国策金融機関の実態は何ら変わっておらず、民間の既存事業者との間での公正な競争条件が確保されない状況が続いている。こうした状況下、ゆうちょ銀行による損害保険募集業務への参入など、中小事業者が多数を占める保険代理店の主要市場になし崩し的に参入する事例が続いており、これは、官業による民業圧迫そのものである。この問題の解決のためには、公正な競争条件の確保が大前提であり、新規事業参入を計画する以前に、日本郵政が保有する全株式の売却に向けた道筋の明確化と着実な実行を要望する。
②郵便局の保険販売における種目拡大の阻止
郵便局は自動車保険の取り扱いを行っているが、日本代協は「日本郵政の政府保有株が全株売却されるまでは完全民営化されたとは言えない」との立場であり、それまでの間は、安易な種目拡大を阻止する方針である。政治連盟としては、郵便局の保険販売が損害保険代理店の利益を不当に害することのないよう注視しながら、支援議員への働きかけを続ける。
(5) キャッシュレス社会の実現に向けた取扱事業者の各種費用・手数料の引下げ
取扱事業者が負担するキャッシュレス決済端末の導入費用や手数料の水準が高止まりしていることが課題となっている。大きく社会を変えるためには、すべての当事者にとって「WIN – WIN」の環境を構築することが必要であり、一部の事業者だけに負担を負わせることは妥当ではない。「決済手数料の開示などによる価格競争」、「手数料負担に対する国庫補助」などを要望し、取扱事業者の負担軽減につなげる。
2.支援議員に対する地元での活動強化
(1)支援議員「地元開催セミナー・会合」への参加と支援議員との接点強化
損害保険代理店を取り巻く環境は大きく変化しており、経営の持続を確保する上で、様々な課題に直面している。支援議員に、保険代理店の声を汲み取ってもらい、力添えをもらうためには、様々な機会を捉えて、各選挙区で接点を持つことが重要である。その実現のために、議員主催の「地元開催セミナー・会合」への参加、支援議員に対する「代協総会・セミナーへの参加」要請などを通じて、支援議員との接点強化を進めていく。併せて、地元において「会員が支援議員とフリーな論議ができる環境」を整える。
(2)選挙対応
選挙は支援議員との関係強化を進める「絶好の機会」であるため、代議員・選挙対策委員・政治連盟役員が一体となって、各代協との連携強化を図り、選挙区における支援活動を前倒しかつ組織的に行う。選挙運動に当たっては、コンプライアンスに十分留意する。
3.組織課題への対応
(1)「日本代協・事業方針」の把握と認識の共有
政治連盟は、日本代協の事業運営に必要な政治活動を行う組織であり、日本代協とは「表裏一体の関係」にある。日本代協理事会等を通じて日本代協・事業方針の把握と役員間の認識共有に努め、日本代協と一体となって活動することを原則とする。
(2)「政治連盟 意義と活動」ミニセミナーの継続実施
全国の代協会員間で、政治連盟に対する理解が十分進んでいない現状がある。ついては、政治連盟役員・選挙対策委員が講師となり、全国各地で「政治連盟 意義と活動」等の資料を活用してミニセミナーを開催し、政治連盟についての情宣活動を継続的に進めていく。
(3)「一括集金方式」推進と会員拡大
政連会費の納入に当たっては、「一括集金方式」の導入を進め、会員拡大を図る。暦年の会費目標未達成額が残っている代協に対しては、代議員・政治連盟役員・日本代協地域担当理事が連携して、課題の把握と対応策の協議を行い対策を講じる。